【ヒプマイ感想】漫画「side B.B & M.T.C」第3話:銃兎と左馬刻の危うい関係。M.T.Cは無事に結成!

2019-02-28ヒプノシスマイク

こんにちは。春の陽気に誘われて外に出てみれば、まだまだ寒いじゃないですか。すと子です。

さて、「月刊少年シリウス」(講談社/毎月26日発売)掲載の「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side B.B & M.T.C」。その第3話を読んだので、感想をつらつら~っと書いていきます。

 

「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side B.B & M.T.C」verse-3・表紙
(「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- side B.B & M.T.C」verse-3・表紙。「月刊少年シリウス」2019年4月号より)

 

前回では Buster Bros!!! が結成し、ブクロの話が一段落。そして後半で左馬刻様が登場したので、今回はハマ中心の話になるだろうと楽しみにしていました。

 

前回の感想記事はこちら↓
【ヒプマイ感想】漫画「side B.B & M.T.C」第2話:バスブロ結成! 左馬刻様は出る漫画まちがえてない?

過去の感想記事はこちら↓
ヒプノシスマイク感想記事一覧

 

第3話は、

  • ヤクザとズブズブの関係にある悪徳警官・入間銃兎
  • 左馬刻・銃兎と理鶯の出会い~M.T.C結成(ドラマ・トラック①)

こんな感じ。回想などの形で左馬刻と銃兎の出会いが見られるかなーと期待していたのですが、最初から銃兎が左馬刻を手懐けているという設定で描かれていたので、相変わらず彼らの馴れ初めは分からずじまいでした。

銃兎はどうやってこのじゃじゃ馬を懐かせたのだろうか。

また、銃兎が理鶯を見つけた経緯も知りたかったですが、そちらも描かれていなかったですね~。

 

「ヨコハマ・ディビジョン MAD TRIGGER CREW Drama Track①」

 

前回までのあらすじ

H歴3年。既存の武器の廃棄と新たな武器の製造禁止を定めたH法が施行され、武力による戦争は根絶。男たちは精神干渉能力を持つヒプノシスマイクを使って、残された領土を奪い合っていた。

伝説のチーム・The Dirty Dawgの一員だった山田一郎の元に、三人一組のチーム戦で行うディビジョン・ラップバトルの知らせが届いた。メンバー選びに悩むものの、彼を慕ってメンバーに志願した弟・二郎と三郎が一郎の課した難題をクリアしたことで、一郎は彼らをチームに誘うことを決意。互いのラップスキルを改めて確認し、ここにイケブクロ・ディビジョン代表チームが結成した。(1・2話)

一方、ヨコハマ・ディビジョンでは、同じく元TDDであり現役ヤクザの碧棺左馬刻が、自分の組のシマを荒らす風俗店に乗り込んでいた。店のオーナー・帳兄弟を拳で倒した左馬刻は警察に連行され、ヨコハマ署の拘置所に収容される。そこで左馬刻が呼び出したのが、馴染みの警官・入間銃兎だった。(2話)

 

銃兎と火貂組、ひいては左馬刻との関係は?

今回はほとんど公開済みのドラマ・トラック①をなぞっていたので、そこに関してはあまり新しい発見はなかったのですが。冒頭、左馬刻の所属するてん組の組長・火貂退紅たいこうと銃兎が対話する場面があり、銃兎と暴力団との深い付き合いを窺い知ることができました。

 

銃兎は組織犯罪対策部=「マル暴」に所属し、薬物撲滅を最終目標としている

ソロ曲「ベイサイド・スモーキングブルース」ではっきり自己紹介している通り、銃兎が所属しているのは組織犯罪対策部、通称「マル暴」と呼ばれる、暴力団担当部署です。

そんな銃兎の志は、同じくソロ曲の中でこう歌われています。

めんどくせーな 点数稼ぎでも 薬物は撲滅するのが 俺の確実なサクセス
突き止めてやるぜ いつかその元締め Yo! そこどけ
知らぬ存ぜぬじゃ通らねぇんだよ シラを切るクソボケ

※「ベイサイド・スモーキングブルース」より引用

「薬物撲滅」の達成をもって、自身の「成功」とする。その志と、現在の銃兎の状況について、公式サイトではこのように記載されています。

薬物を排除するため選んだ仕事だったが、ヤクザの世界に馴染み、暴行、収賄、横領、ゆすり、たかり等の悪事を働いている。
担当の組にいた左馬刻とは持ちつ持たれつの関係。

公式サイト・キャラクター説明より

 

「薬物撲滅」の達成を志して警察官になったのに、いざ組織犯罪対策部に配属されると、そこは暴力団を必要悪として持ちつ持たれつの関係を結んでいる部署であり、銃兎もその組織の色に染まってしまったという、「理想と現実のギャップ」を表しているのでしょう。

強かな銃兎のことなので、現実にうまく適応して汚職警官になったのだと思いますが、ソロ曲であんなに高らかに歌い上げていることから、「薬物撲滅」の志はずっと抱いているはず

ならば、銃兎の担当する暴力団・火貂組の主な資金源が薬物かどうかが、銃兎と左馬刻の関係に大きく影響するんじゃないかなーと思います。

 

火貂組が薬物を扱うことを禁じている場合

実際に薬物を御法度としている暴力団もあることから、この可能性は大いに考えられます。

だからこそ、銃兎は火貂組のヤクザ・左馬刻を、組の情報源として利用しながらも(代わりに左馬刻や火貂組は、銃兎(国家権力)という後ろ盾を得られる)、なんだかんだで友好的な関係を保てているのではないでしょうか。

薬物を流して儲けている暴力団のチンピラと、銃兎がチームを組むとも思えないし。

ただこの場合、火貂退紅との会話で銃兎がわざと相手を煽るような発言をした=自身を囮にして退紅や幹部をしょっ引く機会を作ろうとした意味が、いまいち解せないんですよね。相手が薬物を扱っていない(=銃兎の潰す対象ではない)のなら、変わらず持ちつ持たれつの関係を続ければ良いんじゃないのか。

 

火貂組が薬物を扱っている場合

こっちのパターンだと、火貂退紅に対する銃兎の言動も筋が通ります。

ただ、左馬刻との関係が殺伐としたものに……。

左馬刻は、銃兎が「薬物撲滅」にこだわっているのを知っているのでしょうか。知っていて、ヤクザと警官として、彼とつるんでいるのか。

もし銃兎の胸の内を知らない左馬刻が、ただの情報源として銃兎に利用されているのなら、かなり可哀想なんですけども。だって左馬刻の所属する組が薬物と関係しているのなら、その組は銃兎の潰す対象になり得るから。「俺たちに裏切りはなしだ」って、左馬刻は銃兎と理鶯を信じている風なのに(「G anthem of Y-CITY」より)。

 

いやー、大人だからこそ、純粋に相手に対して思う気持ちだけでは関係は成り立たないんですよね。そこには自分の思惑や利害、組織の仁義が絡んでくる。危うい関係ですわ。銃兎の方が年上ってのがまたミソだな。

 

銃兎の「目指す場所」とは何か?

「志は違えど目指す場所は同じ」

これが今回のキャッチコピーなのですが、銃兎の「目指す場所」ってどこなのでしょう?

左馬刻は、理鶯に対して「このクソったれな世界を変えようぜ!」とチームへの誘いをかけていることから、女尊男卑の形に歪められた世界をあらためようとしているのだと思います。つまり、左馬刻の「目指す場所」は(少なくとも)男が虐げられない世界

理鶯はもっと分かりやすく、彼は解体された軍隊が復活することを信じています。よって、理鶯の「目指す場所」は、軍隊のある世界

つまり、左馬刻と理鶯に関しては、言の葉党のクーデターが起きる前の世界を取り戻すことができれば、ある程度の目標は叶うと思うんですよね。

でも、銃兎だけは違う。クーデターが起きようが起きなかろうが、麻薬コネクションや元締めをぶっ潰さない限りは、薬物を消すことはできない。クーデターが起きる前の世界を取り戻したところで、銃兎の目標は達成されない。

銃兎だけ、他の二人とは次元の違うところで戦っている気がします。

 

チームのトレードマークについて

これ、気付けて嬉しかったので書いておきます(笑)

左馬刻様の胸元がガラ空きだったので気付けたのですが、チーム結成前だからか、M.T.Cのトレードマークである三角形の金属を、三人とも身につけていないですね!(本来、左馬刻ならネックレスのチャームが、銃兎なら襟のボタンが、理鶯なら胸ポケットのボタンが三角形の金属)

「コミックゼロサム」の方を確認すると、シブヤとシンジュクの面々も、チーム結成前はそれぞれのトレードマークを付けていないようですね~。全然気付かなかった……。乱数のリボンのブローチ?は、模様が光に反射していて微妙に分かんないけど。

ただ! イケブクロの三兄弟だけは、チーム結成前とかに関わらず、「B」「M」「L」の缶バッジを身につけていました! やっぱり兄弟だからかな~かわええな~~

 

疑問:ヒプノシスマイクは持つ者が限られているのか?

これは過去編(TDD編)を読んだ時に気付くべきだったのですが、言の葉党クーデターの後、ヒプノシスマイクは希望者に配られたんですよね。

池袋 新宿 浅草 秋葉原 といった地名は撤廃され
中王区とそれ以外といった分け方をされた
女達は希望者にヒプノシスマイクを配り俺ら男達に言った
“自分達の領土はこれで奪い取れ”と

※「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-2より引用。

この言葉通りに受け取れば、誰がヒプノシスマイクを持っていてもおかしくない、ということになる。

しかし、今回理鶯が暮らす森に行く途中で、銃兎から理鶯がヒプノシスマイクを持っていると聞いた左馬刻は、まず「違法マイク」の可能性を疑った。続いて浮かんだ第二の可能性は、「警察官の持ってるマイクをパクった」。つまり、パンピーがヒプノシスマイクを持っているのは異常、ということになります。

これはどういうことなんだろう……。

 

マイクを持てるのは、まずは一郎や左馬刻といった元TDDの面々、次に警察官といった、マイクに慣れ親しんでいる者や、マイクの威力を業務上必要とする者たち。その他は「違法マイク」。

「希望者に配布」設定はどこへ?

それとも、ある程度ディビジョンの編成が行われた後、つまり強者がだいたい出揃った後に、細かな争いは無用と考えた中王区が、配布したヒプノシスマイクの回収を行ったのだろうか。ほんと、中王区の政治指針が分からんわ~

 

感想まとめ

眼鏡を外して火貂退紅に凄む銃兎さんがかっこ良かったです。

基本敬語なのに、相手を威嚇する時や素の時には口が悪くなるの、ほんといいわ~。あと、今回は理鶯のマイク目当てのモブ達を三人が共闘してぶっ潰す場面が見開きで描かれていてかっこ良かった。

イケブクロ、ヨコハマ共に、ようやくチーム結成にまで至ったので、今後物語がどう転がっていくか楽しみですね~。

 

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