【ヒプマイ感想・考察】新ディビジョンという沼~どついたれ本舗(オオサカ・ディビジョン)編①~

2019-11-06ヒプノシスマイク

こんにちは。ネットワーク・ビジネスの勧誘場面に遭遇する率が最近ハンパないです。すと子です。

さて、「新ディビジョンという沼」と銘打った本記事では、どついたれ本舗」のCD(2019年10月30日発売)と各キャラの感想・考察を述べていきたいと思います。

※ネタバレのオンパレードなので、CDまだ聴いてへんねんという方は、一応ご注意を。

 

 

私、ぶっちゃけ新しいものが苦手というか、既に自分の頭の中で出来上がったイメージに、外部からの修正が加えられるの、あまり好きじゃないんですよ。だから新ディビジョン追加の報を聞いて、最初は「はん? それより既存ディビの新曲をやな(怒)」的な感じでした。

しかし狂ったように「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-+」(2019年9月26日公開・新ディビジョン初お披露目)をリピートしているうちに、気づけば新キャラの声が耳にこびりついて離れないのなんのって!

 

「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-+」

※04:55~辺りから新ディビジョンのパート。

新ディビのリーダー・波羅夷空却と白膠木簓が、既にコミカライズ版で登場していたので、受け入れやすかったってのもあったんでしょうけど。何より、新キャラを担当されている声優さんの歌唱力の高さね。フツーに聞き惚れるよね。もれなく紫色とオレンジ色の沼が待ってたよね。

 

と、色々前振りが長くなりましたが、感想・考察いきますねー。

 

白膠木簓について①~人物像~

いや、めちゃくちゃ歌うまくないですか?

新ディビ初お披露目のPVを聴いて、かなりビックリしました。滑らかでうまっ。「真っ逆さま 落第点までー(⤵)」「あかんでほんま やめさせて貰うわ(⤵)」の衝撃よ。

あと、

むしろ俺色に真っさらに塗るで
刺さらん奴はおらんやろ?言うて

※「あゝオオサカdreamin’ night」より(太字は引用者による)

↑この太字の部分のごとく、高音域で遊びながら歌声がヌルヌルのサラサラになるの最高(伝わりますかね?)。一方で、ソロ曲「Tragic Transistor」で魅せた、先頭アクセント強めのラップもかっこいい。どんなラップも余裕で歌ってくれそうだ。

 

どついたれ本舗「あゝオオサカdreamin’ night」

 

歌唱力の高さにあまりにビックラこいたので、真っ先に触れちゃいましたけど。以降は「白膠木簓」という人物について、CD視聴後の感想&ちょっとした考察を述べていきます。

 

まずは公式プロフィール

  • 誕生日:10月31日
  • 年齢:26歳
  • 身長:174cm
  • 体重:58kg
  • 職業:お笑い芸人
  • 座右の銘:俺の人生を変えられるのは俺だけや 誰も俺の為にそんな事やってくれへん
  • 詳細:ピン芸人。人を笑わすことが何よりも好きな性格。舞台上では天才的な話術で人を笑わせられるが、プライベートではなぜかオヤジギャグを連発する。昔、イケブクロで左馬刻と“Mad Comic Dialogue”というチームを組んでいた。

公式サイトより

 

腹黒キャラかと思いきや、普通に気さくで優しい兄ちゃんでしたわ

正直、コミカライズ版初登場時(2018年12月17日発売の「少年マガジンエッジ」)でお見かけした時は、

「糸目の関西弁キャラって。こいつ確実に中盤~終盤にかけて裏切ってくる奴やろ」

とか思ってました~ごめんなさい(涙)

関連記事:【ヒプマイ感想】公式の漫画版が「解釈違い」と話題らしいので、実際に読んでみた

 

蓋を開けてみたら、

  • 宅配スタッフに対してのプライベートでのファンサが神
  • 芸人仲間とも仲が良いし慕われてる(実力だけでなく、その気さくな人柄によるものだと思われる)
  • ネットワーク・ビジネス詐欺に引っかかっている芸人仲間からの熱烈な勧誘を、きっぱり断れないでいる(むしろ「話を聞きに行ったら逆におもろいんちゃう?」と謎のポジティブ思考により誘いに乗るという貪欲な芸人魂を見せた)
  • 元相方(盧笙)への愛がすごい(後述)

……めっちゃ良い人やんか!

いや、コミカライズ版を読み進めていて、薄々気づいてはいたんですよね。「あれ、こいつ、自分を信じてくれてる人を裏切るような奴じゃなくない?」って。でも、予想以上に普通の兄ちゃんだし、腹も別に黒くなかった。

 

上で引用した公式プロフィールにもある通り、過去に左馬刻と「Mad Comic Dialogue」というチームを組んでいたわけですが、当時の簓は、

俺らも最初はどんな奴らでも向こう見ずで勝負ふっかけまくっとったからな

※「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-4より引用

と自分自身について述べています。

言の葉党が政権を奪取してH歴の幕が上がり、男性たちによる領土争いが始まった当初は、簓も血気盛んだったのでしょうが。その頃と比べて今は性格がやや丸くなったのかな?と思いますね。

 

もっとも、詐欺師・天谷奴零からネットワーク・ビジネスの話を聞きだす時の慎重さ。そして、熱くなった盧笙と天谷奴のバトルにおいて、攻防のプロセスを見極める冷静さ。これらは、かつてイケブクロ・ディビジョンを左馬刻(・一郎・空却)と共に支配していた簓の、「一度は頂点に立った者」としての相応のスキル・経験知だと思います。

 

経歴が謎すぎる

いや、ほんとに。

変化のめまぐるしさに関しては、ヒプマイ世界ではもうそれがデフォなんですけどね(例:H歴2年になってもTDDが結成されていない)。それにしたって、簓は特に激動の人生を歩んでいるというか、波乱万丈が過ぎる。

だって、H歴元年~H歴3年(現在)の間に、簓さんったら

  • 左馬刻と共に「Mad Comic Dialogue」を結成し、紫藤百舌九率いる「天国ヘノ階段」と共にイケブクロ・ディビジョンの二大巨頭となる(この時点でH歴2年)。
  • その後百舌九を倒し、一郎・空却を加えて「新生・Mad Comic Dialogue」結成。領土拡大を続ける。
  • 左馬刻との決裂。恐らくそれがきっかけでイケブクロ・ディビジョンを離れる。
  • オオサカ・ディビジョンに拠点を移し(もともと出身は関西っぽい)、大人気ピン芸人になる。そんなある日、中王区からヒプノシス・マイクと指令が届き、「どついたれ本舗」を結成←イマココ

この3年間で、イケブクロ・ディビジョンとお笑い界の、2つの世界で天下とってんですよ? 率直に何者だよ(笑)

 

ただ、盧笙とコンビを組んでいた時期は謎ですね。オオサカ・ディビジョンに拠点を移した後に、芸人養成所に通って盧笙と組む→解散→ピン芸人になる、となると、いくらなんでも時間が足りないだろうし……。

盧笙と組んでいたのは西暦時代(簓:~23歳)のことで、彼との解散をきっかけに一度お笑い界を離れ、その後イケブクロ・ディビジョンにやって来て、今度はラップの世界で新しい相方(左馬刻)と出会った、の方がまだ現実味がある気がする。「Mad Comic Dialogue」時代のヒプノシス・マイクが、既に芸人さんが使ってそうなマイクの形をしていたし。

もっとも、簓にとっては「元相方」と言えば盧笙、らしいですけどね。

 

どついたれ本舗ドラマ・トラック「aikata back again」(白膠木簓パート)

 

白膠木簓について②~躑躅森盧笙との関係性~

いやもう、相方愛っていいですね(小並感)

ざっと思いつく限りの印象を箇条書きしますけど、

  • コンビを組んでいた時期に、盧笙の家の合鍵をこっそり作っていた(しかも無駄にいっぱい)。
  • 舞台の上とか関係なしに、簓は盧笙とボケ・ツッコミの掛け合いができるのが、嬉しくてたまらない様子。
  • 自分とはもう組みたがらない盧笙に対して、「なんでやなんでやなんでやなんでや!!!!!」
  • 同じネットワーク・ビジネス被害者である芸人仲間と盧笙に対して、対応に雲泥の差がある。盧笙が被害に遭うのは必死に止めようとする。
  • 「大事な元相方」
  • 簓が誰とも組まずにピン芸人で居続けるのは、盧笙以上に「おもろい」と思える人間に出会えないから。
  • 盧笙が簓の才能に気後れしているのに対して、簓は盧笙の「気配りできるところやまっすぐに芯が通っているところ」をリスペクトしている。

 

ネットワーク・ビジネス詐欺にいとも容易く引っかかってしまうチョロい人の好い盧笙先生をめちゃくちゃ心配してくれる優しさとか、簓がピンでいる理由とか、色々胸打たれるものがありましたけど。

まず、一度はディビジョン・バトルで頂点を獲った人間が、いざ次のディビジョン・バトルに向けて新しいメンバーを探さねばならないって時に、簓はラップ・スキルでも経験値でもなく「自分が組みたい人間かどうか」のみを重要視した。そしてその相手は盧笙以外に思いつかなかった、というのが単純に萌えました。

 

「躑躅森盧笙」の項で詳述したいと思うのですが、盧笙ってプライドが高く、かつ自分に厳しい人間だと思うんです。だから自身と簓との才能の差を強烈に感じてしまっても、割り切って相方(天才)任せでお笑いの世界を渡り歩くんじゃなく、自分の力を舞台で示そうとした。簓と対等になろうとした。そうやって自分を追い詰めて、やがて舞台の上で喋れなくなってしまった。

たぶん簓にとってみたら、盧笙は自己を過小評価しているのでしょう。その過小評価が、厳しすぎる評価が、さらに盧笙の良さを殺すという悪循環。けど、ヘタに自分が慰めたら盧笙のプライドを傷つけてしまうだろうことは理解していたし、だからこそ盧笙から解散を持ち掛けられた時も、引き止めずに彼を解放してあげた。

 

盧笙が上を見ていたのに対して、簓はずっと横(隣)を見ていた。こんなイメージを抱きました。

 

もっとも、中王区のおかげ(?)で二人はまたチームを組めたわけですからね! 簓の言った通り、ディビジョン・ラップバトルを通して盧笙のトラウマをどついたることができれば最高ですね。

 

白膠木簓について③~その他~

碧棺左馬刻との関係性

本当に、左馬刻と簓の間に何があったんでしょう? 過去編を読む限りでは、あんなに良いコンビだったのに。

 

左馬刻と簓
(百舌九に追い詰められた二人が見せた、覚悟の笑顔。「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-5前編より)

 

情緒が安定していた頃の左馬刻の、良きパートナー。キレやすい彼を抑えながら、確かな実力で相方を支える感じ。

にもかかわらず、現在の簓からしたら、「元相方」と言って思い出すべき存在は盧笙のみ。

ドラマ・トラック「aikata back again」の天谷奴の言では、彼らの結末については「左馬刻と簓が揉めた」程度にしか触れられていませんでしたが。これ、結構な何かがあったでしょ。ドラマ・トラック「Me Against The World」の左馬刻の様子だと、彼も彼で、簓に対して相当な怒りを抱いているようですし。

こっちもこっちで犬猿の仲なんですかね。

そんで多分、十中八九、中王区が絡んでますよね。決裂の原因に。恐らく、TDD結成を目論む乱数と無花果にとって、ターゲットである一郎と左馬刻と共に既にチームを組んでいる空却・簓が邪魔だった。彼ら「新生・Mad Comic Dialogue」を潰して一郎と左馬刻をフリーにするために、一郎と空却、左馬刻と簓の仲を裂いた(誤解・決裂の要因をつくった)。こう予想しているのですが、いかがでしょう?

 

あと、元TDDの碧棺左馬刻とかつてチームを組んでいたこと、簓は盧笙に言ってないんですね。誰にも言いたくないようなひどい別れ方をしたのだろうか。

 

中王区との関係性

ドラマ・トラック「Me Against The World」を聴いたときは、空却と簓はもう中王区側の人間になってしまったものだと思ったんですけど。

しかし今回のCDを聴くに、少なくとも簓は中王区との繋がりはないのかな、と思いました。天谷奴とも初対面だったみたいだし……。

中王区からヒプノシス・マイクと指令が届いたときの驚き様と、その後の従い方も、政府と一国民のそれ、という感じ。政府の命令だから仕方なく従う、みたいな。

 

これが4ディビジョンのリーダーとの大きな違いですね。

一郎、左馬刻、寂雷には「中王区を倒して世界を変える」という志がある。中王区のスパイである乱数さえ面従腹背。メンバーには「世界を変えよう」と謳いながら「人間全員殺してやる」というヤバイ野望を腹に抱えている。

一方で、簓にはそういったイデオロギーや野心が、現段階では感じられない。それは、中王区から比較的離れたディビジョンで暮らしているからかもしれませんが。

分かりやすいアンチ中王区ではないから(天谷奴もメンバーにいることだし)、中王区にとっては味方(シンパ)に近いチームとなるのかな?と思います。

あと、時系列的には、「どついたれ本舗」結成 → M.T.C 対 麻天狼のバトルを簓と空却が中王区で観戦(「Me Against The World」)、ですかね? それなら、これまで中王区と繋がりを持っていなかった簓があの場にいた理由も説明がつきますし。

ただアンチにせよシンパにせよ、中王区にとっては利用する駒のひとつに過ぎないんだろうなぁ、とは思います。

 

長くなるので、続き(盧笙・天谷奴)は別記事で書きます!

すと子

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