【ヒプマイ感想】漫画「-Before the Battle- The Dirty Dawg」第9話:重大事実が次々発覚!? 乱数はやはり量産型だった! 衢フラグ立ってる…

2019-12-18ヒプノシスマイク

こんにちは。この間、大学生グループがパパ活とママ活の話題で盛り上がっていて、なんだか時代を感じました。すと子です。

さて、昨日発売の「少年マガジンエッジ」20年1月号(講談社刊)掲載の、「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」第9話ですが、、今回ほんとに情報量が多かったですねー!

 

「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9・表紙
(「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9・表紙。「少年マガジンエッジ」2020年1月号より)

 

前回の感想記事はこちら
【ヒプマイ感想】漫画「-Before the Battle- The Dirty Dawg」第8話:乱数の不穏な動き。簓と空却は退場の予感? そして過去編にもあの男が登場!

過去の感想記事はこちら
ヒプノシスマイク感想記事一覧

 

表紙からして乱数ちゃんの闇が深すぎるんですが、今回は、

 

  • 真正ヒプノシスマイクがこの時点ですでに登場
  • 乙統女に子供がいることが発覚
  • 天谷奴に息子がいることが発覚
  • 秘密を抱えていることを寂雷に見破られ、素の感情を露わにする乱数
  • バトルのためにゴタンダに赴く新生MCD with 合歓ちゃん
  • 乱数の秘密に踏み込んでしまう衢くん

 

とまあ、ヒプマイファンの中で考察・妄想されてきた謎をことごとく明かしてやるよと言わんばかりの、情報&情報のオンパレードで……!

正直まだ情報の整理がついていないのですが(爆)、感想を綴っていきます。

 

前回までのあらすじ

時はH歴2年。武力による戦争の根絶とあらゆる武器の廃止、そして女性主体の政治を謳う《言の葉党》政権が樹立してから一年が経過した頃。

男たちが限られた領土をかけて争いを続ける中、イケブクロ・ディビジョンを統治していたのが、「天国ヘノ階段」紫藤百舌九・鳳仙玄鳥)と「Mad Comic Dialogue」碧棺左馬刻・白膠木簓)。しかし「天国ヘノ階段」の子飼いのチーム「Naughty Busters」山田一郎・波羅夷空却)の謀反と、領土を奪い返すために百舌九らが起こしたテロ事件での、一郎・左馬刻らの完全勝利により、「天国ヘノ階段」は解体。一郎・左馬刻・簓・空却の四人からなる「新生・Mad Comic Dialogue」が新たにイケブクロ・ディビジョンを治めることとなり、彼らはその圧倒的な実力で領土を拡大していった。

一方、中王区の命で動いている飴村乱数は、神宮寺寂雷と接触後、彼と「空寂ポッセ」を組み、西トーキョーの方で名を上げていた。中王区の目的遂行に必要な駒である一郎と左馬刻を引き抜くために、乱数は二人の仲間である簓と空却の存在をどうするか、企み始める。

その乱数の経歴について、寂雷を育ての親として慕う彼の助手・神奈備衢が密かに調査していた。衢は、乱数の経歴のあまりの隙のなさを不審に思い、彼への不信感を募らせるが――。

 

乙統女=帝統の母親、天谷奴=山田家の父親でほぼ確定か?

さて、冒頭は乙統女と天谷奴の密談から始まります。前回のラストで乙統女が天谷奴に現ナマで10億円(!)支払っていたので、その続き、というわけですね。

10億円を対価に、乙統女が天谷奴から受け取ったもの。それは真正ヒプノシスマイク。ようやく完成したらしいそれは、対象者に完全催眠を施せる「無敵のマイク」ですが、その代償について天谷奴が説明しています。

 

ご存知だと思うが こいつぁ出力が高すぎて使い手の精神を激しく消耗する
使ったら最後 必ずあの世に逝っちまう …それでもいいんだな?

※「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9より

 

それに対する乙統女の返答がこちら。

 

乙統女。「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9より
(冷酷無比な返答。「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9より)

 

ゼロサム版でも無花果が、真正ヒプノシスマイクは「作り物」の乱数にしか使えない、みたいなこと言ってましたけど……。中王区の人間、ことごとく冷たくないですか? 乱数をなんだと思っとるんや(怒)

 

関連記事:【ヒプマイ感想】漫画「side F.P & M」第11話:飴村乱数の正体と目的が判明。無花果の下す非情な命令に、どう動くのか……?

 

そして天谷奴さん、普通に両目出してきてたやん……(笑)もっと出し惜しみするのかと思ってました。しかしサングラス越し+白黒なので、オッドアイかどうかまでは分かりませんね!

ていうか天谷奴って、いったい何がしたいんでしょうね。ドラマ・トラック「Don’t Play No Game That I Can’t Win」での乙統女曰く、天谷奴には金銭以外の別の目的があるとのことなので、天谷奴なりに打倒中王区に向けて動いているのかなー、と個人的に思っていたのですが。真正ヒプノシスマイクとかいう中王区の切り札完成にまで貢献しているとは!

 

とまあ、この密談場面でも色々思うところはありましたが。ビックリしたのはこの後のことで。

 

乙統女の「家出したガキ」=帝統?

この「肝っ玉のデケェ野郎」って、確実にシブヤのギャンブラー君のことですよね……?

普段は鉄仮面を崩さない乙統女も、子供のことを指摘された瞬間は、面差しに翳りができています。「私にはもう関係ありません」と言いつつも、やっぱり気がかりなのかな。

ていうか、仮に乙統女の子=帝統とするなら、帝統は幼い時に実母と生き別れたのではなく、「家出できるような年齢」=少なくとも10代前半に自らの意志で乙統女の元から去った、ということですよね。てことは、乙統女(母親)の記憶、ありますよね?(帝統のことだから、電柱かどこかに頭ぶつけてそれ以前の記憶全部落とした、とか有り得そうではあるけど)

国家転覆を果たし、国のトップに君臨している母親を、帝統はどんな気持ちで眺めているんだろうか。

 

天谷奴の「息子たち」ではなく「息子」。その意図は?

こちらもさらっと判明しました。乙統女曰く、天谷奴には「息子」がいるらしいです。

天谷奴=山田家の父親説的中、かと思いきや……「息子たち」と表現していないのが引っかかります。単に言葉の綾かな?

まさかブクロの三人のうち、一人だけ実子、ということはないと思いますが……(考えたくない)

 

いずれにせよ、乙統女=帝統の母親説と天谷奴=山田家の父親説は、もう確定と考えていいんじゃないでしょうか!

 

一郎と合歓の急接近は、後の左馬刻との関係決裂への布石?

さて、新生MCDの四人はゴタンダ・ディビジョンのチーム「ゴッド・アス・ホール」とバトルをするために、ゴタンダの歓楽街へ。なんでも、今まで倒してきた相手とは格が違うチームのようで、以前一郎が相手チームのリーダーとバトルをした時には勝敗がつかなかったらしい。

その彼らに、左馬刻の妹・合歓ちゃんが付いて行っています。理由は、左馬刻がやり過ぎないかどうか見張るため。

というのも、イケブクロ・サンセットビルでの人質立てこもり事件で、左馬刻は唯一の身内である合歓を人質に取られたことで激高し、既に意識を失っていた主犯の百舌九と鳳仙に暴行を続けていました。それを見た合歓はショックを受け、後日、「理不尽な暴力はダメだよ……」(track-8・後編より)と左馬刻を静かに諫めています。

 

関連記事:【ヒプマイ感想】漫画「-Before the Battle- The Dirty Dawg」第8話:乱数の不穏な動き。簓と空却は退場の予感? そして過去編にもあの男が登場!

 

そもそも左馬刻の暴力は、合歓を傷つけようとするあらゆるものから彼女を守るための手段でした。合歓の17歳の誕生日、二人でご馳走を囲みながら左馬刻が「この10年色々あったし」(track-2より)と言っていたことから察せられるのは、彼が13歳の頃からずっと、たった一人の妹を守り続けてきたという事実。

テロ事件の際に、同じく人質にとられていた二郎に合歓が打ち明けている通り、彼女もそれを重々承知している。左馬刻の暴力は自分を守るためのものだ、と。

しかし、もう闘えない百舌九と鳳仙に左馬刻が振るった一方的な暴力は、弱い誰か(合歓にとって、それは自分自身)を守るための手段ではなく、左馬刻自身の怒りや鬱憤を晴らすための手段として、合歓の目には映ったのだと思います。

つまり、かつて左馬刻や合歓を苦しめていた暴力と似た匂いを、彼女は兄から感じたのでしょう。

 

もっとも、暴力を手段として用いる生き方を左馬刻が身につけてしまったのは、過酷すぎる環境において、守らなければならない存在(=合歓)があったから。彼女は誰かに守られなければ生きていけなかった自分自身の弱さに、責任を感じているため、左馬刻と同じ土俵に立って彼の暴力を止めることができない。

代わりに、事件の際に兄の「理不尽な暴力」を止めてくれた一郎に感謝しています。一郎も一郎で、借金取り立ての道具として暴力を使わざるを得なかった苦い時代があったせいか、「無駄な暴力」を嫌っているので。合歓ちゃんが一郎にシンパシーを感じるのは、自然の道理かな、と(同い年だしね)。

 

そして、彼らの到着前に「ゴッド・アス・ホール」をたった一人で撃沈させ、トーキョー全土の実質的な支配をかけて四人にバトルを申し込んでは、笑顔で煽りまくる「空寂ポッセ」の乱数。キレてヒプノシスマイクを起動させようとする左馬刻を、堪らず合歓が制止します。

 

合歓。「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9より
(左馬刻を諫める合歓。「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9より)

 

相手の煽りに対してマイクを起動させるのが「理不尽な暴力」だとは、私はあまり思えないのですが……。たぶん、兄の怖ろしい一面を見てしまった直後だから、「本当に左馬刻が力を使うべきタイミングか否か」ということについて合歓ちゃんはだいぶナーバスになっているんだろうな、と思います。

左馬刻が、ただ彼自身のためだけに暴力を振るう怪物となる前に、なんとしてでも止めたいんだろうな、と。

 

そしてそして、この不自然なまでの(笑)、一郎と合歓の急接近。ドラマ・トラック「Me Against The World」で左馬刻が一郎に対し、お前が合歓にしたことを絶対忘れねえ、といった旨のことを言っていましたが(もっとも、当の一郎本人には心当たりが全くない)、その布石ですかね?

 

考えられるのは、

  • 現在、合歓の中での一郎に対する信頼度は爆上がり中。その強い信頼を裏切る真似を、一郎がした(ただし本人に思い当たる節がないので、碧棺兄妹の勘違いである可能性大)。
  • 「理不尽な暴力」を嫌いながら弟たちを守れてる一郎と知り合うことで、合歓の中での“正しい力の使い方”の指針がはっきりした。よって、その指針に反する左馬刻のことを、合歓は許せなくなった。兄妹仲は決裂。合歓は家を出ていき、左馬刻は心の拠り所を失う。左馬刻の悲しみと怒りが、合歓に要らん影響を与えた一郎に向かう。

 

後者の場合は、120%逆恨みですが(笑)

しかし、track-1の冒頭カラーページで、左馬刻が一郎の必死の制止を振り切って、何か(ボタン?)を押してるんですよね。一郎→左馬刻の怒りは、あのボタン?関係で、一郎←左馬刻の怒りは、合歓ちゃん関係と、この二人は決裂の原因が一致していない。

来年のアニメ化まで真相お預けとか、そんな酷なことしないでくださいね、公式様……。

 

寂雷、乱数のこと大好きだよね

健全な意味でね。

ゼロサム版はいよいよ第一回ディビジョン・ラップバトル本選に突入し、ポッセ対麻天狼でバチバチやってるので。寂雷に対して毒を吐かない乱数ちゃんと、乱数ちゃんのことを何とか理解して受け入れようとしている寂雷先生が、なんとも新鮮で、でもこの後に待ち構える破綻を思うと、切なくて。

前回、乱数の完璧すぎる経歴を不審に思った衢が、なぜ彼とチームを組んだのか、と寂雷に尋ねました。衢の問いに、一番は彼が興味深いから、と答えながらも、寂雷は以下のように述べています。

 

それに普段の行動も本来の自分を覆い隠しているような気がしてならない……
……もし我々には言えないような事情があるとしても 寄り添えるような関係になれれば…と思うんだ

※「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-8・後編より

 

寄り添う気満々なんですよね別の記事に書いたように、寂雷はすごく仲間想い。そして、人間の悪行を含めた業というものを受け入れられるほどの、器の大きさを備えている。

そして今回、寂雷はとうとう乱数に問います。君は何か隠している、少なくともそのキャラクターが作られたものだということは分かる(だから、もし無理してそのようなキャラクターを演じているのなら、その必要はないよ)、と。

しかし乱数とて、好きでこのキャラクターを演じているわけでもなく、かと言って寂雷を利用するために彼と一緒にいるのに、その彼の言葉に甘えて素性や本音を晒すわけにもいかない。

 

乱数。「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9
(思わず感情をむき出しにしてしまう乱数。「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9より)

 

怒りを露わにし、しかし次の瞬間にはいつもの愛くるしさで全てをごまかそうとする乱数に対し、寂雷は逆に謝ります。そして頭にポン、と手を置き、微笑みます。

 

少しだけ素の君を垣間見れた気がして 嬉しく思うよ

※「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9より

 

こんな菩薩のような先生を、乱数はいったいどうやって怒らせたというのか。

これさ、ゼロサム版を読みながらも思うことなのですが、乱数と寂雷の関係については、乱数さえ中王区と手を切って好きに生きさえすれば、和解できるんじゃないですかね? 現在軸の寂雷は乱数のこと嫌いながらも、未練たっぷりだし、若干心配そうだし。乱数は自分の運命のことで、それどころじゃないかもしれないけど。

 

衢が知ってしまった、衝撃の事実

さて、寂雷の助手であり、いち早く乱数に不信感を抱いていた衢くん。

彼はラップスキルはからきしですが、代わりに事務処理能力に長けており、乱数と寂雷からなる「空寂ポッセ」が次々と手中に収めていっている西トーキョー方面のディビジョンの後始末やら、他チームの調査やらに、東奔西走している模様。

そして、ゴタンダ・ディビジョンで「Mad Comic Dialogue」と「ゴッド・アス・ホール」のバトルがあると知り、早速偵察に向かいます。

 

しかしゴタンダで繰り広げられていたのは、両チームのバトルではなく、たった一人で「ゴッド・アス・ホール」全員を降した飴村乱数と、MCDの四人による一触即発のムード。結局、MCDの実力を探るという目的を果たせなかった衢は、乱数の行動の動機に首を捻りながら、彼の方に駆け寄ります。

 

衢の呼びかけに振り向いた乱数の口から発せられたのは、衝撃の言葉。

 

……誰だ お前?

※「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」track-9より

 

ジョークだと思って、衢くんが笑って名乗っても、ふーん、と興味なさげに去っていく乱数。

そして、たった今目の前を去っていったはずの乱数が、衢の背後を歩いている。

 

はい、来ましたね。「量産型乱数が各地で分散して行動してるんじゃないか説」の証拠。

 

「飴村乱数」同士で記憶の共有とかしないの?という謎は残りますが……。

ただただ、衢くんの死亡フラグが着実に築かれてますね。逃げてー。

 

感想まとめ

アニメ化に向けてテコ入れ入ったんじゃないかってくらい、急ピッチで物語の核心に迫っていってますね。

あとね、MCD四人の会話が可愛すぎる……。白膠木簓さん(24)なんか、「おっぱいがいっぱい」というギャグで未成年にドン引かれ、天使の笑顔で「すまントヒヒ!」と謝っては相棒の左馬刻にブチ切れられて、これで最年長ですよ? 好き。

すと子

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