アラサー独女が寺コンに行ってきたので、その感想を淡々と書く
こんにちは。「七つの大罪」の怠惰を司っています。すと子です。
突然ですが、彼氏いない歴がそろそろ12年を超えるという事実に、つい先日気がつき戦慄しました。私が「彼氏いなーい」とかほざいてる間に、子供は小学校に入学して、義務教育を終えて、そろそろ大学受験を迎えようとしているんですからね。それくらいの歳月ですからね。そらぁビックラこきますよ。
思えば年末年始は実家で過ごすか、ひとりで鍋つつきながらガキ使を観て、ひとりで初詣行って。クリスマスはと言えば、稀に心優しい友人が付き合ってくれて一緒にケーキ食べてくれたりしましたが、まあ大体いつもひとりです。「きっと君は来な~い 一人きりのクリスマスイブ~♪」なんて達郎は唄っていますが、私には待ち合わせる「君」さえいない。
なんでや!! 世界人口の半分は男ちゃうんかい!! しかもちょっと男の方が多いんちゃうんかい!!!
ということで、巷で話題の寺コンに、昨日行ってきました。正直に言います。恋人がほしい。恋がしたい。そこまでは高望みしないまでも、せめて良いご縁の種を蒔きたい。
ちなみに寺コンとは…
- 臨済宗寺院のお坊さんがボランティアで運営する「婚活」サポートの会
- 本部は静岡県
- 発足して8年で、会員数17,000名、成婚720名以上の実績がある
- 運営元がお寺なので、費用は最小限。入会費・年会費・成婚費は一切なし
- 現在では、静岡・東京・名古屋・岐阜・大分・仙台で開催されている

街コンはウェーイ感が怖くて地味女の踏み出していい戦場じゃないし……。婚活パーティーはモロ値踏みされそうで恐怖だし……。
そんな私には、寺コンが魅力的に思えたんです。なんか、穏やかそうだなーって。
というわけで、感想レポを書いていきます。結論として、実りはありました。けどむちゃくちゃ疲れました。
寺コン参加までの道のり
本登録のための登録会に行くための予約をする
タイトルだけだとちょっと何言ってるか分からないかもしれませんが、詳しく説明します。
まず寺コンに参加するための第一歩として、
- 公式サイトのフォームから、登録会への参加予約をする(先着順・定員あり)
- 登録会当日、時間通りにお寺に行く(身分証持参)
- 登録会にて、写真付きの申込用紙を提出する
- 登録会で渡されたQRコードを読み取り、WEB登録をする ←これが終わって「登録完了」
というプロセスを踏んで、ようやく「吉縁会」の寺コンに参加する最低限の資格が得られます。
公式サイトのフォームから、登録会への参加予約をする
参加したい地域の「吉縁会」サイトの「はじめての方へ」から、登録会への参加予約をするフォームにいけます。
フォームは「性別」と「年齢(20代・30代・40代)」別に分かれていて、先着順・定員ありとなっています。25~49歳までが登録可能年齢とのことです。
また、登録会自体が各地域、年に2回ほどしか行われていないようです。私はたまたま思い立って「吉縁会」サイトを覗いた時に、次回登録会の日程が予告されていたので、機会を逃さずに済みました。本気の本気で参加したい方は、普段から公式サイトをチェックするのが良いかと思います。ちなみに東京での登録会は、次回は2019年春に行われるそうです。
次回登録会の日程が予告されると、その登録会への参加予約の解禁日、つまりサイト上でフォームが有効になる日も予告されます。先着順なので、解禁されたその日に予約し、枠をゲットしました。
登録会当日、時間通りにお寺に行く
事前に告知されていた通りの時間に、お寺の本堂に行きました。当日は、身分証と顔写真持参です。そして、予約時にフォームに記載した名前・生年月日等と、身分証とを照合されて、本堂の二階へ。
登録会にて、写真付きの申込用紙を提出する
二階に上がり、申込用紙を記入しました。氏名・年齢・住所(連絡先)・勤め先云々……。それと、独身であり、かつ恋人もいない旨を誓約する欄もありました。ハリウッド・スター並に立派な署名を書いてやりましたよ。
持参した顔写真を、この申込用紙にペタッと。この用紙はあくまで「吉縁会」事務局が登録者を管理するためのものであって、異性の目には決して触れないとのこと。安心です。
そして、申込用紙の内容と、身分証とを再び照合されて、提出。
登録会で渡されたQRコードを読み取り、WEB登録をする
登録会では「WEB登録」のための用紙を渡されます。そこにはQRコードと登録用メールアドレスが記載されています。
そのアドレスに空メールを送ると、WEB登録用フォームのURLが返ってきます。そこに必要事項を記載し、登録ボタンをクリック。この段階で、ようやく「本登録」完了です。
ちなみにこのWEB登録の締切は、登録会の2日後くらいまでなので、帰宅して即やりました。
寺コン参加の倍率は高い
ここまでで既に息切れしますよね? でも、それだけ事務局側が、参加者のことを真剣に考えてくれてるってことなんですよ(と言ってました)。
さて、WEB登録を終えて、ようやく「吉縁会」の会員になった。寺コンに参加する資格を得た。しかも、一度会員になれば、地域問わず、どの「吉縁会」の寺コンにも応募できるらしいです。
会員になると、専用ページから、各地で開催される寺コンへの参加申請が可能となります。しかし、申請しても当選するか否かは、運と過去の当選/落選履歴によるとのこと。特に登録者の密集している東京だと、毎回高倍率なのだとか(特に女性の申請が多いらしいです)。
私は今回が初めての申請だったので、恐らく事務局が気を利かせて、当選させてくれたのだと思います。今回(12月5日)の倍率は男女ともおよそ3倍と、予想していたよりは低めかな、と思いました。
寺コン当日のための用意物の準備が大変
さて、無事に当選したはいいものの、寺コン当日に必要になるものを揃えなければなりません。
今回参加した寺コンは大体4時間強だったのですが、全体の流れとしては、
- 開会式・良縁祈願
- 仏教文化体験
- 1対1の個別談話(1人5分程度)
- 18対18のグループ談話(1人1分程度)
- 連絡先カードを異性の封筒に入れる(男女別の部屋)
- 閉会式
こんな感じです。
必要な準備物は、
- プロフィールカード(異性との談話時間で、話題の一材料とするための用紙。大体A4サイズ)
- 申請カード(連絡先カード。談話時間が終わった後、連絡先を渡してもいいと思える相手の封筒に入れる用のやつ)
- 申請カード用の封筒(こっちは逆に、連絡先を渡してもいいと思ってくれた異性が申請カードを入れてくれる用の封筒)
こんな感じです。今回は最大36名の異性とお話しできるとのことだったので、プロフィールカードを36枚刷り。申請カードの印刷は名刺会社に頼んだので100枚~の注文になっちゃったし。準備物だけで4,000円近くの出費(笑)笑う(笑)
でも、普通の婚活パーティーと比べれば参加費は安いし、トントンですかね。
寺コン当日① 開会式・良縁祈願
12月5日。待ちに待った寺コン当日。
この日に備えてキレイめな服とか買っちゃおうかな……とか思っていましたが、何せお外が寒くて服を買いに行くのも面倒だったので、結局普段通りの服装で行きました。ユニクロ on the ユニクロ(別にユニクロをディスってるわけじゃないです)。
登録会で一度行ったはずのお寺なのに、迷子になりかけました。が、道の途中にお坊さんと看板が立ってくれていて、参加者を導いてくれました。
この日は午前と午後の部に分かれ、総勢144名の男女がこの寺コンに参加する予定とのこと。午前と午後に72名が振り分けられ、さらにそれぞれ男女は36名ずつという計算。
本堂に到着し、身分証を提示して参加費3,000円を支払ってから、名札をつけて二階へ。二階では、先に来られた方々が、戦国武将が腰を載せている床几のような椅子に座って待っていました。
開会式の前に二十分ほどの時間が設けられていて、お坊さんも「今がいちばん話せる時ですよ! 始まったらもう、お相手とゆっくり話せる時間なんてないですからね!」と推してくるので、早速目の前に座っていた男性の方とプロフィールカードを交換し、お喋りを始めました。
しかし、何せ72名の男女がお堂の中でひしめき合い、それぞれ喋っている空間です。私の耳が悪いのか、お相手の方の声が小さめなのか、なかなか話が聞き取ることができず。。
「これ、隣の人たちはどうやって会話してるんだろ?」
そう思い、視線をふと隣にやってしまった時、「あ、やってしまった……」と思いました。
会話中にあからさまに他に視線を移すって、「話題に窮してます」と言ってるにも等しい。
やばい、やばい。そう思いながら、プロフィールカードから拾えるだけの話題を拾い、お相手の方も話題を広げてくださるのに、いかんせん聞き取れない……!
ていうか、初対面の人と話すのって、こんなに難しかったっけ? 視線のやり方、仕草のひとつひとつにナーバスになってしまうわ。何? ワンルームという楽園に引きこもっていた罰なのか?
そうこうしているうちに参加者もあらかた集合し、お坊さんも準備を整えて。お寺の住職さんが、ご本尊様に、参加者の良縁・結縁を祈願してくださいました。私は進行役のお坊さんの言われるがままに、合掌やら何やらを繰り返していました。
寺コン当日② 仏教文化体験
さあ、地味に楽しみにしていたやつです。これぞまさに寺コンの醍醐味。
床几のような椅子の上には、寺コンの日程表と一緒に、「坐禅の栞」「経本」が置かれてありました。この日の仏教文化体験は、「お経を声に出して読んでみよう」です。
※公式サイトを見ると、仏教文化体験は他にも「数珠作り」や「坐禅体験」など色々あるそうです。
よっしゃ、ヒトカラで培ったクソデカボイスを、いっちょ披露しますか。
そう意気込んで、手が合掌の形になるように「経本」を持ち、目の高さにまで掲げて、まずは「開経偈」(お経の前に読むやつ)を読みました。しかし……
お経の音程、むずくね??
いや、お経に音程があるのか謎なんですけど。どうにも自分の声だけ浮いてしまうような感じ……。「般若心経」も一生懸命読んだんですけど、難しかった。あと息継ぎのタイミングが分からん。
ちなみに、私のすぐ後ろで読んでいた男性は、めちゃくちゃうまかったです。プロかと思いました。
寺コン当日③ 1対1の個別談話
さて、婚活の場としてはここからが本番です。当日キャンセル等の事情もあり、男女の人数を多少調整してから開始。
一階と二階に分かれて行われました。基本的に女性が横に並び、それぞれの前にある椅子に男性が座って、タイムアウトになったら男性が次の女性の前にいく、という流れ。
談話が始まる前に、事務局の方から縁結びのお守りをいただきました! あと、可愛らしい包み紙に包まれたお菓子も。こういう諸々があって3,000円なんだから、良心的ですよね。

1人当たり、話せる時間はおよそ5分。終了30秒前にお鈴が一回、タイムアウトになったら二回鳴らされます。
始まる前は「5分って結構長いかな」と思っていたのですが、いざ始まってみると怒涛のごとく流れていきました。
下記の能力が求められるな、と思いました。
- 怪しくない笑顔
- プロフィールカードを渡されたとき、最初にざっと目を通せるだけの速読術
- そこから即座に話題を拾い、広げられるだけの脳内データベース検索力
これを、18人分フルに使うのです。結構大変でした。
とはいえ話題にのぼることは限られていますね。私の場合は、
- 出身地(遠方なので、珍しがられた)
- 職業・仕事内容
- 趣味(美術館めぐり、読書、アニメ)
ここらへんを結構つっこまれました。
ただ一点、誤算がありました。私はプロフィールカードの「好きなタレント」欄に、当然のごとく「若手俳優の高杉真宙」と記載したのですが、18人中5人くらいの方から、「この人、名前なんて読むの?」と聞かれました。
嘘やん! 真宙くんの知名度、全国区やないの!?
まさに自分の常識は他人の非常識……。聞かれた後に「『まひろ』って読むんですよ」「前のファブリーズのCMに出てた子ですよ」とか答えただけで、もう貴重な30秒間が持ってかれました。
タレントと言えば、マツコ・デラックスの人気が凄まじかったです。あと、映画「ボヘミアン・ラプソディ」も。
年齢は、20代後半~30代の方に限定されているようでした。やはり同年代の参加者同士で、会は組まれるようです。
個別談話が終わった……ふぅ……。
安堵の溜め息をつく私たち参加者に、お坊さんはニヤリと笑いかけ、こう言いました。
「本当に大変なのは、ここからですよ」
寺コン当日④ 18対18のグループ談話
個別談話は、男性側が移動するとはいえ、男女互いに座って向き合い、お話ししました。
一方、全員が本堂の二階に詰め込まれた、グループ談話。こちらは男女向かい合って男性が移動するスタイルは、個別談話と同じなのですが、個別談話と違って立ちっぱなし。
しかも、1人に与えられた会話時間は1分間です。
「これプロフィールカードです!」
「あ、ご出身は○○なんですね!」
「仕事は××で~!」
「へー、△△がお好きなんでs」
(チーン!※終了の合図)
そして異性が通り過ぎていく。この繰り返しですよ。さながら人間回転寿司のごとし。迷いは禁物。一瞬でも口ごもったが最後、目の前の異性はもう離れていく。
終わった頃には肩で息をしていました。いや、動いていたのは男性なんですけど。
寺コン当日⑤ 申請時間
5分間話せた18人と、1分間回転寿司のごとく流れていった18人。
こんなの、覚えられるはずがないのです。記憶に残るのはせいぜい最初の5人か、よほど外見ドストライクの人かぐらいですよ。
そこで役に立つのが、お相手からいただいたプロフィールカードです。プロフィールカードには顔写真を付けてくれている方が多かったので、それを見ながら会話内容を思い出したり、談話時間中には話せなかったけれども気になる・気が合いそうな趣味を書いている人を見つけたり。
そうこうしながら、自分の連絡先(メールアドレスとLINEのID)を記載した申請カードを、連絡くれたら嬉しいなーという異性の封筒に入れていきました。この作業は、男女分かれて行われました。
お坊さんは、「一人の人に一途になるより、多くの人にご縁をばら撒いた方が、結果出ますよ!」的なことを言っていました。
ちなみに私は、23人の異性に申請カードを渡しました。「数打ちゃ当たる」戦法です。なりふり構ってられないのです。
寺コン当日⑥ 閉会式
ぶっちゃけ疲弊しきった頭に閉会式の記憶はほとんど残っていないのですが、「遠足は帰れば終わるけど、寺コンは帰ってからが始まりです」みたいなことを言っていました。お坊さん、ちょいちょい名言を残してきます。
それと、異性からの申請カードが入った自分の封筒は、帰る際に事務局員から手渡しされるのですが、仮に申請カードが入っていなくても、怒らないでください、とも仰っていました。「察しろ」ということらしいです(笑)
式後は、女性から先に案内されて、本堂を出て行きました。ドキドキしながら事務局員の方から封筒を返してもらい……
ん? 薄い……?
でも、中身の確認は帰宅後のお楽しみだな(何より今は帰って何か食いたい)と思い、私はお寺を去ったのでした。
帰宅~まとめ
誰が連絡先を入れてくれたんだろう。いいな、と思ったあの人は、連絡先くれたかな。この後、誰かから連絡きたりするんだろうか。
そういう期待や、誰からも連絡がこないかもという不安に心を乱されながらも、私は帰宅途中に考えていました。
それは、この「数打ちゃ当たる」戦法への、微かな違和感についてです。
私は、現実主義と冷笑主義を気取りながら案外ロマンチストの気がある、こじらせ人間なので。運命的な関係というものに、いっぱしの憧れを抱いています。
運命的な関係とはつまり、私にとって相手じゃなきゃ駄目だし、相手にとっても私じゃなきゃ駄目、という関係。だから、そういう物語(フィクション)を好みます。
そういった唯一無二の存在に憧れながら、なりふり構わずご縁の種をばら撒くしかないという皮肉。果たして、このやり方は本当に正しいのだろうか。
とかなんとか、慣れないイベントに疲れて、トレンディドラマばりにたそがれてしまっていた私の頭の片隅から、ふと歌声が聴こえてきました。
数打ちゃあたると思ってんじゃねー
俺スナイパー 一発で仕留めるだけ
読む お前らの動きと今日の風 その頭をめがけ撃ち抜くだけ※「WAR WAR WAR」歌詞の山田一郎パートより引用
超カッケェェーーーーー!!!!!!!
え、スナイパーですよ? まあ物騒な歌詞だし決して婚活のことを歌ってるわけじゃないのは100%間違いないんですが、きっと山田一郎なら婚活の場でも、一人に対してのみ一途で、しかも一発で仕留めるわけでしょ? はーさすがブクロの女全員抱いた的なオーラを醸してるだけあるわ……ていうか19歳で自営業で二人の弟を養ってるってやばくない? イケメンすぎない? 抱いてくれない?
※「山田一郎? 誰だよそのモブ」って方は、よければ下の記事をご覧ください♪ 主人公です!
とか何とか考えながら、ラーメン屋にしけこみ、とんこつラーメンとハイボールでこの日の疲弊を癒したのでした。
その後、申請カードの枚数を確認したところ、結構な打率でした!(私のほうがばら撒いてるけど笑) こんだけ興味を持っていただいたならもう満足です。
そして、何人かの方とぼちぼち連絡を取らせてもらったりしています。
山田一郎になれないのなら、こういうやり方で良いご縁を探していくのもいいな、と少し前向きな気持ちになれました。
以上、寺コン感想レポでした!
すと子