【ヒプマイ感想】漫画「-Before the Battle- The Dirty Dawg」第2話:一郎、笑ってよ……。左馬刻様はこの頃が一番幸福そうだな。
こんにちは。生きてるだけで税金とられるって凄くないですか? すと子です。
さて、毎月17日に発売される「少年マガジンエッジ」(講談社)掲載の「ヒプノシスマイク -Before the Battle- The Dirty Dawg」。その第2話を読んだので、感想をつらつらと書いていきます。
【※2月17日訂正:発売日は月によって微妙に変わるみたいです……】

第1話の感想はこちら:【ヒプマイ感想】公式の漫画版が「解釈違い」と話題らしいので、実際に読んでみた
感想記事は順次更新中
ヒプノシスマイク感想記事一覧
前回は、西暦最後の年=H歴元年における一郎、左馬刻、乱数、寂雷の状況をさらっと紹介していました。
今回は一郎視点で、ヒプノシスマイク導入後に世界がどのように変わっていったかが描かれています。
前回までのあらすじ
第三次世界大戦後の荒れた世界にて。のちに伝説のチーム・The Dirty Dawgを結成することになる、山田一郎(17)、碧棺左馬刻(23)、神宮寺寂雷(33)、飴村乱数(22)は、それぞれの日常を送っていた。
一郎は児童養護施設で孤立しながらも、弟たちと一緒に暮らす金を稼ぐために金融屋で借金取立てのバイトをし、左馬刻は妹の合歓と二人暮らししながら、相棒の白膠木簓と共に仕事に励む日々。寂雷は紛争地帯をめぐっては医師としての使命を全うしていた。
そんなある日、革命が起こる。男性主体の現政権が、ヒプノシスマイクを使う《言の葉党》に倒されたのだ。《言の葉党》党首・東方天乙統女は、政権奪取と「人を殺傷するすべての武器の製造禁止、および既存の武器の廃棄」=H法の施行を宣言した。
突然変わっていく世界を前に、三人はそれぞれの反応を示す。一方で、《言の葉党》の勘解由小路無花果と通じている乱数は、三人を「対象者」として観察していた……。
イケブクロにおける勢力図
《言の葉党》による国家転覆後の世界(日本)は、周知の通り、既存の地名や地域区分は撤廃されて、代わりに女性たちが政治を行う「中王区」と「それ以外」に分けられました。分断する立派な壁も、一年足らずで築き上げられています。
「それ以外」の部分の領土を奪い合うために、希望者にはヒプノシスマイクが与えられました。
自分たちが開発した武器を、わざわざ反乱予備軍に渡すのはどうかと思いますが、男性たちはそのヒプノシスマイクで新体制に叛逆しようともせず、言われた通りに領土の奪い合いを始めました。
だから、革命前より逆に争いが増えた。
男性たちによる領土の支配構造は、まず力を持った巨大なチームが領土を支配し、その傘下にさらに数多くのチームを従えている、という構造らしいです。
一郎の暮らすイケブクロは、巨大な2チームによって支配されています。ひとつは、一郎がバイトしていた金融屋の社長・紫藤百舌九が率いる「天国ヘノ階段」。もうひとつは、左馬刻と簓が率いる「Mad Comic Dialogue(マッド・コミック・ダイアログ)」。comic dialogue=「漫才」だから、「狂った漫才」って意味かな? ちょうど二人いるし。
ていうか左馬刻様、イケブクロにいたんだ! 滾るわ~~
この2チームは不戦協定を結び、それぞれの領土を支配しています。
一郎が所属しているのは、「天国ヘノ階段」傘下の「Naughty Busters(ノーティー・バスターズ)」。「いたずらっ子」みたいな意味だろうか。それにしても、一郎にしろ左馬刻にしろ、二年後にそれぞれ組むことになるチーム名の片鱗が、すでにこの頃から見られますね。
1話目で左馬刻の相棒と思われる簓が登場し、今回は一郎の友人・波羅夷空却が出てきました。明言されていませんが、恐らく「Naughty Busters」は一郎と空却が仕切っているチームなのでしょう。僧侶志望の自由人、おまけに17歳にして一人称が「拙僧」って、相変わらずヒプマイはキャラが濃い(笑)
私の中の「山田一郎」像が崩壊していく
1話目でも思ったんですけど、一郎が「HAHAHA」って笑わないヒプマイはヒプマイじゃない。
なんか暗いねん。
あとこの子、オタク文化を愛しているような描写が欠片も出てこないんだけど。この後、僅か二年足らずでラノベ新刊を全て読破するレベルのオタクになるの? シナリオ担当の方、設定忘れたりしてないよね?
2話では児童養護施設の描写が全くなく、二郎と三郎も登場しないので分かりませんが、相変わらず「クズ」呼ばわりされているんだろうか。弟たちが「兄ちゃんすごい」に到達するためにはちょっとした物語が必要なのではないか、と1話感想記事で色々考察したのですが、もしかして割と簡単に「クズ」→「神」「尊敬」へ転じたりする……? 人間の心ってそんな簡単なものじゃなくないか?
弟が出てこない=「兄」としての一郎の顔が出てこなかった代わりに、2話では「組織人」としての印象が強かったですね。同い年の友人・空却と喋ってても笑わないし。「天国ヘノ階段」のボス・紫藤に気に入られているもんだから、嫉妬した下っ端の大人たちからやたら汚い言葉を浴びせられるしね。一郎まだ17歳だよ? やめたげてよ。
しかし、弱い奴らの遠吠えなど、一郎にとっては屁でもないようで。

私のバスブロへの理解が足りないのかもしれないけど、「山田一郎」がしていい顔じゃないぜ……。
二郎と三郎のみならず、一郎も別人みたい。これが二年後には「HAHAHA」ってなって、二郎は兄ちゃんを神格化して、三郎も一兄尊敬するようになるの? 人格変わりすぎだろ。
この荒みに荒んだ一郎が、あのような大らかでいつも笑っているキャラになるには、やっぱりTDD結成が大きく影響するのかなー。組織内の力関係とか関係なしに、初めて楽しくラップできる仲間と出会えた、みたいな。空却の立場どうなるん?ってなるけど。
左馬刻様はこの頃が一番幸せそうだ
一郎の病み顔にもビビりましたが、何より左馬刻の料理の腕に目をみはる回でした。一二三と同等か、それ以上の腕前っぽい。
妹の合歓ちゃんの17歳の誕生日に豪勢な料理を振る舞って、一緒にお祝いして……。一郎の「HAHAHA」が皆無なのに対し、妹の前では常に笑っている。左馬刻様が幸せそうで、こっちも涙が出そうになるよ。
しかし、そんなきょうだいの団欒に水を差す電話が、簓から掛かってきます。なんと、「Mad Comic Dialogue」の領土が「天国ヘノ階段」傘下の「Naughty Busters」に奪われたとのこと。
一郎率いるチームが、不戦協定を破って、左馬刻と簓の支配する領土にカチコミ入れてきたってわけですね。
これは一郎の意志ではなく、野心家の紫藤からの指示によるものです。一郎は、バイトで世話になった義理があるためか、それとも(弟たちのために)金と力を手に入れるためか、紫藤に従順です。
それでも空却曰く、一郎は紫藤に「言いたいこと」があるらしい。面従腹背ってことかな? 紫藤に不満を抱いている一郎が、現時点では敵である左馬刻と、恐らくこれから出会うことになる。そこで仲良くなったりするんだろうか。
ドラマ・トラックで、一郎はかつて左馬刻に憧れていたと言っていたから、金融屋や紫藤に嫌気が差して鬱屈している一郎を、敵であるはずの左馬刻がその実力を買って引き抜いて、育て上げる、とか?
1話の時点では、左馬刻に訪れる今後の出来事(災難)について、
- 仲間である簓に裏切られる
- 中王区によって、合歓との別離を強制させられる
こう予想していました。しかし、今回は簓の描写も少ないし、中王区の動きも乱数を含めてほとんど描かれていなかったので、未だに分かりませんわ。ただ、簓がそこまで重要人物っぽく描かれていないことから、もし左馬刻が誰かの裏切りによって人間不信に陥るとするなら、その相手は一郎かな、という考えが強くなりました。
今の荒んでいる一郎を、左馬刻がどのようにして自分に懐かせるのか、楽しみです。
ヒプノシスマイクが男の手に渡った理由
こちらも1話の感想記事で考えを述べましたが、端的にまとめると、
- 反乱予備軍(男)同士の潰し合い
- 反乱予備軍(男)の無力化
これらを企図して、《言の葉党》は男(希望者)にヒプノシスマイクを与えたのかなーと思っています。それくらいの考えでもなければ、新たな武器をわざわざ男たちに渡さないはず。
1話の感想記事では、《言の葉党》は上記のような考えがあって、男たちにヒプノシスマイクの使用を浸透させるために、無花果が乱数を使ってTDDを結成させたのではないか、と述べました。しかし、2話を読むと、逆だったみたいですね。TDD(最強チーム)などなくとも、ヒプノシスマイクを与えられた男たちは勝手に敵対し、勝手に争い合っていく。
じゃあなぜTDDは結成させられたのか? 一郎、左馬刻、寂雷の三人は、乱数に目を付けられているのか?
謎が深まる……。
しかし一番の謎は、どうして男たちは、手にしたヒプノシスマイクで《言の葉党》政権打倒を目指さないのか、ということですね。
相手の思う壺やないかーい。
感想まとめ
もう色々と衝撃が凄かったです。主人公キャラの一郎の方から、悪役キャラの左馬刻の領土への襲撃を行っている。この意外性が面白かった。二人の出会いのきっかけになるんでしょうが。
寂雷や乱数も、すでにそれぞれチームを組んでいるのかな? 寂雷の方のチーム名には「狼」が、乱数の方には「Posse」が入ってそうです。なにはともあれ、早く一郎の笑顔が見たい。
すと子
感想記事は順次更新中
ヒプノシスマイク感想記事一覧
***単行本はこちら***
※アプリでも読めます! 発売日に更新されるみたいです。